季節と日本酒
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春夏秋冬の四季折々の美しい景色を楽しんだり、野菜や果物・魚介類等の旬な食材を食べたりと
色々な、四季の楽しみ方がありますが、日本酒にも季節毎のお酒があるのをご存じですか?
『しぼりたて』『夏の生酒』『ひやおろし』といった日本酒が、それになります。
『しぼりたて』(11月~3月)
新米の収穫が終わり初春にかけて蔵元で造られる出来立てのお酒を瓶詰したのが、
『しぼりたて』です。
主に11月〜3月の時期に販売され、冬に旬を迎える食材を使ったおつまみやお料理との
相性も良く美味しくいただけます。
通常の日本酒は、貯蔵前と瓶詰前の2度『火入れ』を行う事で、酵素の働きを止め、微生物を殺菌して、
酒質を安定させ保存性を高めるのですが、その際に酸味が取れてまろやかで甘味のある味わいに変化する
半面、フレッシュさが損なわれます。
『しぼりたて』は出来立てを、そのまま瓶詰する為、フレッシュで荒々しくもある味わいに華やかな香りのみずみずしい魅力に
あふれたお酒になります。
『夏の生酒』(4月~8月)
次に、『夏の生酒』ですが、搾られたお酒は夏を迎える頃には
荒々しさがやわらいでまろみを帯び4月~8月に販売されます。
生酒の名の通り『火入れ』をいっさい行わず、低温で熟成してお届けするのが、
『夏の生酒』です。
『ひやおろし』(9月~12月)
最後に、『ひやおろし』ですが、江戸時代中期に新酒が劣化しない様に、
春先に一度『火入れ』を行い貯蔵し、ひと夏を超して外気と貯蔵庫の
中の温度が同じくらいになった頃、2度目の加熱殺菌をしない「冷や」のまま、
大桶から樽に「卸(おろ)して」出荷したことからこう呼ばれてきました。
『火入れ』後に秋まで熟成させる事で、味わいの成分がとけあったまろやかな味わいに
仕上がります。
最後に
これらの、『しぼりたて』『夏の生酒』『ひやおろし』は日本の旬の食材を
引き立ててくれます。
旬な食と共に季節のお酒をお楽しみ下さい。
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